2011-01-01から1年間の記事一覧

剣道八・七・六段審査会寸評(2011,11)

11月22日・23日に東京武道館で行われた八段審査は、受審者1800名、合格者14名で、合格率0.8%の相変わらずの狭き門だった。 ◆遠藤先生の剣道八段審査会寸評 不本意に終わった方々の特徴的ものを一つだけ挙げると「先にかかった動きがなく、“打間”がと…

剣道の”溜め”を学ぶ

剣道は“溜め”が大事とは、よく聞く言葉である。では、溜めを作るにはどうすればよいか、先人の指導に耳を傾けつつ、体得あるべし。我にとっても大きな課題である。 ◆剣道の溜めの例え(イメージ) ² 砂で堰を作りそこに水を溜める、溜めれば溜めるほど水の…

自然体の熱演

国立劇場12月歌舞伎公演「元禄忠臣蔵」を鑑賞した。 大石内蔵助を演じた中村吉右衛門、あだ討ちを終えて、「これで初一念が届きました」という名台詞。自然体で,ずっしり肚の据わった花道での引っ込みは見事。余韻残る。剣道・居合道も自然体が大切。

藤平式呼吸法の実際

藤平式氣の呼吸法の方法u まず、統一体で正座する。足の両親指を重ね、両ひざは拳が二つ入るぐらい開き、両手はももの上に軽くのせる。背筋を伸ばし、臍下の一点に心をしずめ、全身の力を抜く。こうなると、心身が統一されているので、肩を押されてもびくと…

居合道講習会

山梨県居合道講習会が23年11月6日、小瀬武道館で開催された。講師は東京の江浦先 生。 ◆全日本剣道連盟居合を中心に指導していただいた。1本目から12本目まで実技および解説。特に注意すべき点の指摘があって、有意義であった。 ◆全般に共通する点として次の…

全日本剣道選手権、高鍋が2連覇

全日本剣道選手権、高鍋が2連覇 ◆ 第59回全日本剣道選手権大会は11月3日、東京・日本武道館で開催され、35 歳の高鍋進(神奈川県警)が2連覇を達成した。大会連覇は1999年の宮崎正裕以来12 年ぶり。 高鍋選手は「1戦1戦を大切に戦うことだけを考え…

精神の優者が真の優者

◆剣道は心身の鍛練といわれるが、剣道名人・中山博道は、より精神の重要性を説く。 「形が如何に大なりとも、其の形を支配する精神上に於いて勝って居ったならば、小必ずしも大に劣るものとは断言できぬものである。換言すれば身体に関せず、精神の優者が真…

気合

◆「相手を攻め崩す気攻め」が剣道では最も大事であるといわれる。高段者になればなるほど特に「気攻めの攻防」が求められる。 ところで、「気合で相手を圧する」といっても、言葉でいうほど簡単ではない。生涯剣道を目指す剣道人でも、これを身に付けるのは…

五輪書「空の巻」

空の巻 合理に徹し実利を追求し、到達し得た“空”の境地。まよひの雲の晴れたるところこそ、実の空としるべき也。二刀一流の兵法の精神を、ここに空の巻として書きあらわした。空とは物ごとがないということ、人間が知ることのできぬことをいうものである。 …

琴奨菊・「万理一空」の口上

琴奨菊・「万理一空」の口上 大関昇進を伝える日本相撲協会の使者に、琴奨菊は宮本武蔵の兵法書から「万理一空」の一語を借りて決意の口上を述べた。 一切の迷いのない状態を意味する「万理一空(ばんりいっくう)の境地を求めて、日々努力、精進致します」と…

剣道七・六段審査会寸評(2011、8、)

剣道七・六段審査会寸評(2011、8、20)◆石川総合スポーツセンターで実施された七段審査は、受審者587名、合格者84名、合格率14.5%であった。六段は620名受け、21%の合格率だった。 ◆濱崎先生の寸評の概略は次の通り。 ☆着装と礼法については全般的に、心…

五輪書「風の巻」

風の巻 この巻は他流を批判する事によって二天一流の考え方をより明確にしている。◆他流に大きなる太刀を持事 他流において大きな太刀を好むものがあるが、わが一流の兵法からすれば、このような流儀を弱者の兵法と判断するものである。太刀が長ければ有利に…

少年剣道大会雑感

山梨県の山城剣友会主催の関東少年剣道大会が8月21日、小瀬武道館で開催された。 山梨県下の小中学生他東京、埼玉、長野など近県からの参加もあって盛大な大会であった。一心会も参加したが、2回戦で敗退した。審判をしながら拝見して感じたことは、上…

抜きつけ

抜きつけの一刀には、居合の生命がかかっているといわれる。心気充実、必殺の鋭さがなければならない。 ◆剣道日本「居合道虎の巻」の「鞘放れと鞘引き」の解説次のごとし。鯉口を切った刀が物打ち近くなったときに水平に刀を倒す。左手で鞘を引き、右手の小…

居合道の根本

◆居合は、「鞘の内」と呼ばれる。居合の勝ちは鞘の中にある。すなわち、抜かぬ前に吾が心法の利をもって敵の心を制圧し、技の起こりを封じ、体の働きを奪い取る。それでもなお敵、害意を失わず切りかかってくると、鞘放れの一刀、剣光一閃のうちにこれを倒す…

攻撃は最大の防御

攻めの心構えについて、先人の教えを学ぶ。 ◆攻撃あるのみ剣道には攻めはあるが、受けるも防ぐもない、と教えられる。打つ太刀を受け留め、受け流すをもって事足りとするは大きな誤りである。かわす、外す、切り落とす、受けるも張るも同時に切る太刀にしな…

五輪書「火の巻」

火の巻 勝負、合戦のさまざまな駆引きを説いたこの巻は、「水の巻」の応用編といえよう。その内容はきわめて心理学的、力学的で興味ふかい。 ◆三ツの先と云事 先手をとるのに3つの場合がある。第一は、はわが方から敵にかかっていく場合の先手のとり方。こ…

居合道の「目付け」その2

仮想敵を相手とする居合道においては、敵対動作の基本といえる「目付け」の習得は簡単ではない。普段、意識して稽古しているつもりでも、相手をよく見て動く動作が、不十分である。私の、引き続いての修業上の課題である。 ◆紙本栄一編著「初伝 大森流」は「…

五輪書「水の巻」

水の巻 武蔵はこの巻で、精神と肉体の両面から、自己をいかに鍛錬するかについて、詳細に説いている。「心の持ち方」からはじまって体の姿勢、目の付け方、刀の持ち方、構え方、ふり方、足づかい等すべて多年の稽古と実践から生まれただけに、迫力と含蓄に富…

「攻め」が大事

剣道で、よく「攻め」が足りないとか、「攻め」が弱いとか、「攻め」を勉強せよ、などとよく助言される。 理屈では分かっていても、ひとくちに「攻め」といっても大変難しい。自分では攻めているつもりでも相手が反応や変化がない場合は「攻め」にはなってい…

五輪書「地の巻」

地の巻武蔵は、まず、この巻で、二天一流の基本的な考え方を展開している。武士たるものは文武の二つの道をたしなむことが原則、そして、兵法の法則を究めることこそ大切と説く。 ◆此一流二刀と名付ける事二刀を腰につけるのは、武士の道である。この二刀の…

五輪書のあらまし

「五輪の書」は、宮本武蔵自身が二天一流について書き残したものである。 生涯六十余度の勝負に一度として敗れたことのなかった宮本武蔵。「五輪の書」は剣の心を最もよく伝える書として評価が高い。 ◎五輪書のあらまし本書は兵法を五つの道に分け、巻を別に…

居合道7・6段審査寸評(2011)

居合道7・6段審査・青木栄治先生の寸評次の通り。 ○心構えについて 形で表す武道である居合道は、どのような状況に置かれても己を失わず、敵に応ずる心の備えと体の備えが求められる。待機中の姿勢、開始線立った時の目力、着座帯刀したした時に敵が作られて…

サッカー「なでしこジャパン」世界一

7月19日の「編集手帳」は次のように、サーカーなでしこの快挙をつづる。 ◆頂点をめざす競技者は「上を向く」ことを習性として身につけた人々である。 ◆サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で日本代表「なでしこジャパン」が初優勝の快挙を成し遂…

居合道講習に参加

7月16日、山梨定例居合道講習会は甲府南公民館。10数名の参加だった。 全剣連居合を相川先生に見てもらう。 1.抜きつけ、切り付けに勢いがほしい。また、振りかぶりの切っ先が下がっている、との指摘を受ける。 さや引きが足りないか、もしくは手の内、あ…

居合道稽古の注意点

7月12日(火)、島田道場で居合道の稽古。汗を拭きながらの暑中稽古。 古流・夢想神殿流の初伝・大森流、中伝・長谷川英信流、奥伝を一通り抜く。 ◆中伝・長谷川英信流について、島田先生に見てもらい、アドバイスを頂く。 ・両手のバランスを考慮すること。…

富士剣道大会に思う

◆富士剣道大会に審判として参加した。小学生から一般まで各層が参加した盛大な大会であった。大会開催の準備等事務当局のご苦労は大変だったに違いない。 ◆気合の感じられる、好試合が随所に見られた。 ・小学生は、一生懸命取り組んでいる様子は好感が持て…

居合道大会雑感

居合道大会に参加した。◆審判をしていて感じた点 1.自信を持って抜いていると思われる選手とそうでない選手、いろいろ。やはり普段の稽古の度合いが現れる。 2.試合経験を積んでいるか、どうかの違いも演技に現れる。 ◆模範演武に参加しての反省 1.なん…

剣道審査会寸評(2011、7)

剣道七・六段(愛知)審査会は5月14日、愛知県で実施された。受審者1174名、合格者157名、合格率は13.4%であった。◆審査員の大嶽先生の審査会寸評は下記の通り。 ○気合 相互の立礼から真剣勝負は始まっており、最初に発する気合は自分を勇気づけ、相手…

居合道の目付けについて

「一眼二足三膽四力」が武道の重要な修業項目とされるが、居合においてもその例外ではない。ところで、私の居合道において、当面の訓練すべき課題は、武道で最も重視される「目付け」であると思っている。納刀の際に、その部分に目をやる悪癖が容易に修正で…