五輪書

独行道

二刀流(二天一流)の始祖として今日にその名を残す剣豪「宮本武蔵」が、自らの人生を振り返り、自戒の念を認めた壁書文である。宮本武蔵を師と仰ぐ人々にとっては、貴重な「修身ノ書」となって残っている。一、世々の道にそむくことなし 一、身に、たのしみを…

五輪書「空の巻」

空の巻 合理に徹し実利を追求し、到達し得た“空”の境地。まよひの雲の晴れたるところこそ、実の空としるべき也。二刀一流の兵法の精神を、ここに空の巻として書きあらわした。空とは物ごとがないということ、人間が知ることのできぬことをいうものである。 …

五輪書「風の巻」

風の巻 この巻は他流を批判する事によって二天一流の考え方をより明確にしている。◆他流に大きなる太刀を持事 他流において大きな太刀を好むものがあるが、わが一流の兵法からすれば、このような流儀を弱者の兵法と判断するものである。太刀が長ければ有利に…

五輪書「火の巻」

火の巻 勝負、合戦のさまざまな駆引きを説いたこの巻は、「水の巻」の応用編といえよう。その内容はきわめて心理学的、力学的で興味ふかい。 ◆三ツの先と云事 先手をとるのに3つの場合がある。第一は、はわが方から敵にかかっていく場合の先手のとり方。こ…

五輪書「水の巻」

水の巻 武蔵はこの巻で、精神と肉体の両面から、自己をいかに鍛錬するかについて、詳細に説いている。「心の持ち方」からはじまって体の姿勢、目の付け方、刀の持ち方、構え方、ふり方、足づかい等すべて多年の稽古と実践から生まれただけに、迫力と含蓄に富…

五輪書「地の巻」

地の巻武蔵は、まず、この巻で、二天一流の基本的な考え方を展開している。武士たるものは文武の二つの道をたしなむことが原則、そして、兵法の法則を究めることこそ大切と説く。 ◆此一流二刀と名付ける事二刀を腰につけるのは、武士の道である。この二刀の…

五輪書のあらまし

「五輪の書」は、宮本武蔵自身が二天一流について書き残したものである。 生涯六十余度の勝負に一度として敗れたことのなかった宮本武蔵。「五輪の書」は剣の心を最もよく伝える書として評価が高い。 ◎五輪書のあらまし本書は兵法を五つの道に分け、巻を別に…