居合道八段・七段審査会寸評2023

居合道八段審査・審査員の寸評 全剣連「剣総」2024,1月号掲載 (2023,12,9実施、江戸川スポーツセンター) 八段審査には、受審者の受審態度に修行の深さを感じさせることが必要だと思います。 審査に当たって、解説書の基本(礼法・作法)、要義と動作の…

剣道八段、七段審査会寸評2023

剣道八段審査・審査員の寸評 全剣連「剣総」2024,1月号掲載 (2023,11,21実施、日本武道館) 審査では段位付与基準に相応しい内容があるか、充分な稽古をされているか、的確な技を身につけているか等、総合的に判断されます。しかし、実技審査では次のよ…

2023剣道審査会寸評

全剣連「剣窓」2023,10月号より ◆剣道八段 2023,8月12日・13日 受審者:1123名 合格者:7名 合格率:0,6%と厳しい合格率だった。 岡田先生の寸評:剣道八段に求められるのは、最高段位に相応しい気・剣・体一致と品位・風格です。 立会いで配慮すべき…

剣道七・六段審査会寸評

剣道審査会の結果について、「剣 窓」令和5年7月号に掲載されたので、その内容を転載した。これからの稽古に活かしたいと思う。 剣道七・六段(愛知)審査会 2023,5,13 名古屋市枇杷島スポーツセンター 七段合格率 18.7%(受審者878名、合格者164名) 六…

2023剣道七・六段審査寸評に学ぶ

◆2023,2,4剣道七・六段審査会の結果(福岡市総合体育館) 剣道七段合格率:14.1% 剣道六段合格率:23.8% 「剣道七・六段審査会(実技)寸評」 1.礼法、姿勢、構えは立派だったが、着装では面紐の長さ、色あせた剣道着が散見された。 2.全般的に蹲踞か…

吉川英治「宮本武蔵」抜粋

再び「武蔵」を読んだ。主人公らが剣の道を語り合う場面が印象深い。その一場に含蓄ある言葉が配されている。 <吉川英治「宮本武蔵」抜粋> ◆「お通どうじゃの、わしが挿(い)けた花は生きておろうが」 伊賀の壺に、一輪の芍薬を投げ入れて、石舟斎は、自分…

剣道・居合道審査会寸評

◆居合道八段審査会寸評 「剣窓2023年1月号」掲載 1.技の中に仮想敵は見えず、形のみで攻めの気迫が欠けた演武が目立った。 2.正座の姿勢からの抜き付けは、上体を真っ直ぐに丹田に力を入れ、腹・腰の力で腰の据わった力強い体勢で抜き付けるが、これがで…

残心

残心 武道における残心とは、技を決めた後も心身ともに油断をしないことである。 居合道では、技の終わったあとでも気を抜かないこと・・・「美しい所作」の継続で技がいきてくる。余韻を残す・・・究極の道へ。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wiki…

藤平式呼吸法に学ぶ

呼吸法は剣道の極意である、と先達は言う。合気道名人の藤平光一氏の説く呼吸法に興味を持ち、実践してみたいと思っている。剣道・居合道の上達に向けて。 以下、藤平光一氏の呼吸法訓練の方法である。 呼吸法の極意 「出る息は天地(てんち)万世(よろずよ)に…

「先達に学ぶ居合道の極意」

居合道修業上のポイントについて、先人の教えに学ぶことが、欠かせない。ここに、拾い上げた教えを列挙し、平素の稽古を問い直す一助にしたい。 <礼儀(正しい態度・作法)>1. 着装と作法も重要な点である。正しい着装こそその人の修業の深さを感じさせる…

剣聖 羽賀凖一の教え(剣道・居合道)

近著典彦著「最後の剣聖 羽賀凖一」より抜粋 ◆羽賀凖一の教えの基本中の基本は「正しい姿勢・正しい呼吸」であった。羽賀準一は剣道でも居合でも、姿勢の「くずれ」を極度に嫌った。 <羽賀凖一の姿勢・呼吸に関する言葉> ・剣道・居合の基本はくずれないこ…

吉川英治「宮本武蔵」抜粋

吉川英治「宮本武蔵」抜粋 ◆「お通どうじゃの、わしが挿(い)けた花は生きておろうが」 伊賀の壺に、一輪の芍薬を投げ入れて、石舟斎は、自分の挿けた花に見惚れていた。 「ほんに・・・・・」 とお通はうしろから拝見している。 「お殿さまは、よほど茶道も…

心すべき稽古の重要項目を振り返る

新型コロナ感染症が確認されてから2年。いつもの稽古ができない生活が続く。このブログの投稿も遠ざかっていた。久しぶりに剣道で重要なことを振り返ってみた。 第1に、姿勢である。 正しい姿勢から正しい打突が生まれる。自然体で、上半身に力みがなく下半…

心すべき稽古の重要項目を振り返る

新型コロナ感染症が確認されてから2年。いつもの稽古ができない生活が続く。このブログの投稿も遠ざかっていた。久しぶりに剣道で重要なことを振り返ってみた。 第1に、姿勢である。 正しい姿勢から正しい打突が生まれる。自然体で、上半身に力みがなく下半…

伊豆守殿の能談義に学ぶ

伊豆守の「能」についての言葉がある。 ・・・「一般に物を指し示すとき、たとえば、杉を指すしぐさをすることがある。そもそも、謡で杉と謡っても実際に杉があるわけではなく、何もないところを指すのであるから、ここが肝心のところである。そこで心の中で…

運動で如何に「力を抜く」体勢ができるか

居合道・剣道の体勢を考える時、如何に力を抜くことができるか、難しい課題であるが、普段の稽古で追求しなければ、充分かつ正しい姿勢を保持することができない。 その手段として、丹田呼吸を取り入れ「上虚下実」を試みるが、そう簡単にできるものでない。…

観世氏、能の稽古をいう

稽古は「教える側も教わる側も「忍」の一字。 「反復しかない。芯がぶれない基本の技を10年、20年かけて五感に染み渡らせるように消化吸収していってほしい。」 読売新聞2021,3,7朝刊 稽古は「忍」より 剣道、居合道の稽古に響く言葉である。

杖道七・六段審査会寸評に居合道の稽古を思う  

「杖道七・六段審査会寸評」(全日本剣道連盟発行「月刊 剣 窓」令和2年9月号)の記事に、居合道稽古の心構えを感じた。 評者の安丸先生が「今後受審する方々に少し助言を」・・・と励まされた内容は次の通り。 1.「構え」ということ 審査は審査会場に入る…

羽賀準一の教え「正しい姿勢・正しい呼吸」

剣聖 羽賀準一の教えの基本中の基本は「正しい姿勢・正しい呼吸」であった。 「姿勢・呼吸」に関する言葉を挙げると、 ※剣道・居合の基本はくずれないこと、すなわち、正しい姿勢である。 ※正しい姿勢とは、常に下腹に力を入れてゆっくり深く呼吸している姿…

「先達に学ぶ居合道の極意」

◆居合道修業上のポイントについて、先人の教えに学ぶことが、欠かせない。ここに、拾い上げた言葉を列挙し、平素の稽古を問い直す一助にしたい。(2020,4,24) <礼儀(正しい態度・作法)>1. 着装と作法も重要な点である。正しい着装こそその人の修業の深…

全剣連居合道講習メモ

全剣連居合道講習指導内容(留意点) <2019年6月30日>山梨県居合道講習会(小瀬武道館) ◆一本目「前」が基本抜きつけ、振りかぶり(剣先が下がらない)、間を置かず切る。右手で振りかぶり、左手をかけると同時に切り下ろす(手の内)体の運用に(剣体一…

2019年(令和元年)剣道日本一は、福岡・國友

剣道日本一を決める全日本選手権、福岡の國友錬太朗選手が初めての優勝を果たした。 2019年11月3日、全日本選手権は大阪市中央体育館で行われ、全国の予選を勝ち抜いた64人がトーナメント方式で日本一を争った。 NHKテレビで観戦したが、國友選手のブ…

高齢者剣道に思う

秋の高齢者の剣道大会に参加した。年はとっても腕に自信のある猛者連、修業の深さを拝見。即座の結果を求めない、不断の努力に支えられた忍耐の道を歩んで来た多くの先生たちの試合はひと味違う。ひたすら基本をこつこつと積み上げる稽古を、若い剣士にも望…

居合の意義及び基本

紙本榮一編著「夢想神伝流居合」の意義に再度触れる。その修業は、やはり難しいといわざるを得ない。道は遠い。 1. 居合は「鞘の内」とも呼ばれる。抜かぬ前に吾が心法の利をもって、敵の心を制圧し、技の起こりを封じ、体の働きを奪いとる。それでもなお敵…

居合は、「鞘の内」

居合は、「鞘の内」とも呼ばれる。 居合の勝ちは鞘のうちにある。すなわち、抜かぬ前に我が心法の利をもって敵の心を制圧し、技の起こりを封じ、体の働きを奪いとる。それでもなお敵、害意を失わず切り懸けくるや、 鞘放れの一刀、剣光一閃のうちにこれをた…

剣道に年はない

名人といわれる「中山博道」はいう。正しく修業すれば、80歳でも敗れない、と。 博道先生曰く「年を取れば体力も劣ってくるし、敏活な動作も鈍るのは当たり前であるが、剣道には竹刀というという特別な介在物があることを、決して忘れてはいけない。この竹刀…

心を止めないことが肝要

剣術伝書の中でも「不動智神妙録」や「五輪の書」は、一度は読む価値がある書物でをあると云われている。不動智神妙録は、江戸時代初期の禅僧・沢庵宗彭が執筆した「剣法と禅法の一致(剣禅一致)」についての書物である。心が一つの物事に捉われれば、体が…

剣道審査会の寸評に学ぶ稽古の留意点

2018年11月の八段審査の合格率は、0.7%。やはり狭き門であった。 「剣窓」掲載の、審査員の先生の寸評によると・・・①攻め崩しがない。 ②気迫不足 ③打突の強度が足りない。 ・・・との指摘がある。※攻め、気迫、適正な打突の研究と実践が求められる。 …

大工鉋の秘術

山岡鉄舟「剣禅話」に大工の鉋の秘術を例にとり、剣道修行について考えさせられる興味ある記述がある。剣道修業の根本を語り、極意は自ら実践工夫し自得するものである、と教える。すなわち、上しこの手加減は自分でやってみて知るほかなく、どうやっても他…