居合は、「鞘の内」

居合は、「鞘の内」とも呼ばれる。


居合の勝ちは鞘のうちにある。すなわち、抜かぬ前に我が心法の利をもって敵の心を制圧し、技の起こりを封じ、体の働きを奪いとる。それでもなお敵、害意を失わず切り懸けくるや、 鞘放れの一刀、剣光一閃のうちにこれをたおすのが、居合の大精神である。


孫子」の「いわゆる百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり、戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者」の理に通じるもので、居合の秘歌「居合とは人に切られず人切らず只受けとめて平らかに勝つ」とあるのもこの精神を詠みこんだものと解されるのである。
紙本榮一著「夢想神伝流居合」

 

居合人は日夜飽くことなく抜刀修業する。不動の境地を求めて~。