剣道に年はない

 

名人といわれる「中山博道」はいう。正しく修業すれば、80歳でも敗れない、と。

 

博道先生曰く
「年を取れば体力も劣ってくるし、敏活な動作も鈍るのは当たり前であるが、剣道には竹刀というという特別な介在物があることを、決して忘れてはいけない。この竹刀にかけられた積年の労が積まれて、その効果は若い力や、動や、または術に充分対応し、年齢より来るおとろえを防護し得るものである。これは絶対不易とはいえないが、大体順当に正しく修業した者にとっては、80歳迄は年齢から来るおとろえと完全に対抗できるものである、と体験で確信している。・・・中略・・・結局、勝負とか稽古とか、体力の対抗において年がないとする最大の原因は、修業の正しさが竹刀に与えた悟りがあるためで、剣道に年はなのだと言っていいと考えている。」

中山博道剣道口述集より引く。

<中山先生は、剣道範士居合術範士杖術範士である。>