精神の優者が真の優者
◆剣道は心身の鍛練といわれるが、剣道名人・中山博道は、より精神の重要性を説く。
「形が如何に大なりとも、其の形を支配する精神上に於いて勝って居ったならば、小 必ずしも大に劣るものとは断言できぬものである。換言すれば身体に関せず、精神の 優者が真の優者なのである。如何となれば、偉大なる身体においても、倭小なる身体 に於いても、之が二六時中の動静を自由自在に使うものは、即ち其の精神であるが故 に、心の偉大は無限大とも云い得るものである。・・・中略・・・二者何れが主たる べきかと云わば、心を主とせねばならぬものである。剣道の教の言葉にも、剣道は小 を以って大を打ち、短を持して長に乗るの術なりと云うのであるから、所謂精神上の 優劣を示したものである。」と。 中山博道著「剣道手引草」 ◆心を鍛えることは、何事においても重要であると思うが、さて、どう訓練すべき か。剣道のみならず、社会生活においても、よくよく吟味する言葉ではあるまい か。