剣道・居合道審査会寸評

居合道八段審査会寸評

「剣窓2023年1月号」掲載

1.技の中に仮想敵は見えず、形のみで攻めの気迫が欠けた演武が目立った。

2.正座の姿勢からの抜き付けは、上体を真っ直ぐに丹田に力を入れ、腹・腰の力で腰の据わった力強い体勢で抜き付けるが、これができていない。

3.鞘放れの一瞬に手首のひねりを利かせ、手の内の締まりで迫力ある冴えが出る。切り下ろしにしても力のみで切ると力みが生じ、腕だけで切ると右拳が「居付き」になる。リキまず溜とネバリで力を抜くところは力を抜くことを覚えるのも大切。

4.呼吸の乱れを見せず演武することが必要となる。合格者は安定した体幹で腰の据わったリキミのない手の内の利いた攻めの演武が随所に見られた。

5.日々の稽古の際に、常に技の中に仮想敵を意識し、攻める気持ちで、一刀ずつ全力で気力を集中させた厳しい修業を望む。

◆剣道七・六段審査会寸評

「剣窓2023年1月号」掲載

1.剣道では気剣体の一致。かけ声、剣先の攻防、打突前・時・後の姿勢、捨て切った打突等が求められるが、審査を意識してか、緊張してか、単に表から間合を詰め一緒に面を打ち合っている単調な場面が多く見られた。

2.言い換えれば表・裏・下を攻める、押さえる等の攻防が少なかった。

居合道七・六段審査会寸評

1.着装・礼法について、紋服着用の場合は事前に身に合うように直し、着慣れておくこと。

2.技では、形や刀勢にこだわり気剣体の一位ができていないため、思い切りの悪い居合となっている。気剣体の一致は最重要課題です。