上虚下実

剣道に「上虚下実 」の教えがある。稽古の時に、先生から「肩の力を抜け」とか「しっかり踏み込め」とかの注意を受けることが多くあります。 それは、剣道にはこの「上虚下実」の教えがあり、その状態が非常に重要だからだそうです。 「上半身は力を抜き、両…

心を練る修練

山岡鉄舟の「無刀流」は勝負にこだわらずもっぱら心を練る修練を重視したという。剣術修行に興味のある、そして大事な課題ともいえる。無刀流剣術大意一、無刀流剣術大意は、勝負を争わず、心を澄し胆を錬り、自然の勝ちを得ることを目標とする。一、事理と…

再び「攻め」を考える

「剣道は、攻めて崩して、溜めて、捨てて打つ」といわれるように、「攻め」を学ぶことが修業の重要課題といえる。 打突の好機を作り出すための必要な「攻め」を習得するのは容易ではないが、日ごろからコツコツと稽古を積み上げることにより自然と身について…

中学校剣道大会雑感

試合を見ていると、その剣士の日頃の稽古への取り組みの度合いが、おおよそ推測できる。稽古の視点から、大雑把に、次のように3つに分類してみた。 ◆分類1 稽古不足。特に、基本の所作が身についていない。 主審の、「始め」の合図のあと、相手に近づくや竹…

能のぶれない所作を、居合道修業にと思う

能の解説によると、 「能は仮面劇の一種であり、微妙に顔の角度を変えることにより、装着した面に生まれる陰影の違いで喜怒哀楽を表現するという、繊細な芸能です。芸術性の高い衣装などとも相まって、えもいえぬ幽玄の世界が表現されています。 足底を床と…

稀勢の里、横綱昇進

やはり努力「稽古はウソをつかない。努力はウソをつかない」。元鳴戸親方からは、事あるごとにそう言われた。中学卒業後に入門してから、来る日も来る日も激しい稽古に明け暮れた。1日100番以上も取ることもあった。若い頃はまわしを取ることを許されず…

中学校剣道大会の感想・・・審判を務めて

最近は剣道人口、特に少年剣士の数が年々減少しつつある。中学生についても然り。 学校によっては、5人のチーム編成ができないところもある。時代の流れとはいえ、剣道教育にもっと目を向けることができないものかと、甚だ心細い次第。剣道の内容においても…

精神の要

精神の鍛錬なくして剣道の上達なし・・・が、鍛錬の法は、説くに説かれず!精神練磨の難しさを、高野佐三郎著「剣道」より引く・・・何事を問わず、精神を充分に練磨するにあらざれば奥妙に至る能わず。・・・数十年間道場に出入りするとも、その精神の鍛練…

勝つためには、攻撃あるのみ

勝つためには、攻撃あるのみ,と先人は教える。これが、なかなかできないのが現実。剣道には攻めがあって受けるも、防ぐもないものと心得るべし。防ぐは、撃の一手段なり。唯防ぐだけならば、如何に巧みに防ぐとも敵に勝つことはできない。先を取る稽古が大事…

懸聲の効用

剣道指導上、初心者には、特に「大きい声」を出すよう指導することが大事。その効用は、その1.我が勇気を増す。その2.打ち込む太刀の勢いを加える。その3.敵を威嚇し、その挙動を制する。是によりて、能く精神を緊張せしめ、心身の勢力を集中し得るも…

居合道審査の寸評に学ぶ

2015,6,26に実施(愛知県豊田)された居合道六・七段審査講評に学ぶ。☆指定技三本目「受け流し」 抜きあげた右こぶしの小指が弛み、上体の開きが早すぎるため、上体をかばった姿勢が出来ていない。右足を左足の内側に正しく踏み込み、受け流すと同時に体を捌…

構え・氣・手の内

最高の剣道を目指すには、「充実した気勢と気位を以って相手を圧し、攻め崩し打突する」こと。これがまずは備わっていることが求められる。審査の講評によると、1.身法である構えはよくなっているが、意識が姿と形に集中しているため棒立ちの状態で攻防自在…

打突の好機をとらえること

剣道の試合を見て気づくことは、無駄うちの多いことである。打つべきところを、とらえて打つ訓練が大切なゆえん。◆一般的に言われている打つべき好機を挙げる。 第1に、起こり頭、いわゆる出ばな・・・相手が打突動作を起こそうとする瞬間。相手が打つところ…

先の気を養う稽古が大事

先の気を養うこと、重要だが、難しい。大事なことは、先の気を以て、攻めて相手を崩して打つ・・・先の気を以って捨て身で技を出し切っているか・・・そんな稽古が剣道の上達の要諦であるといわれる。一歩でも前に攻める稽古、これを心がけたいものだ。しか…

正しい構えが大事

剣道の基本では、まず「構え」を大事にして稽古を心がけたい。身体運動の際にも構えの基本を崩さないことが、実は、最も大事。1.左足の置き方を正しくし、身体をスムーズに運用するには、かなりの訓練が求めらる。 特に、左足が撞木の足になっていると、相…

白鵬、歴代最多の32度目V…大鵬と並ぶ

大相撲九州場所千秋楽、さすが白鵬、見ごたえのある相撲で完勝した。その裏には、毎日の基本の積み重ねがあるという。隙のない体捌きと、あふれる気の充実・・・どこから。新聞報道は、次の通り <2014年11月23日 読売新聞> 大相撲九州場所は23日、福岡国…

剣道日本一 筑波大の竹ノ内佑也・四段

2014年11月3日に行われた全日本選手権を21歳5か月で制し、最年少優勝記録を54年ぶりに更新した筑波大の竹ノ内佑也・四段だ。 経験と技術で上回る他の剣士たちに、「自分にできることは気持ちで勝つこと」とひるまず、決勝でも身長1メートル78、82…

[掛け声」の効用

剣道で気力充実した稽古をするには、気を伴った掛け声が欠かせない。1.我が気力を充実させる 2.打ち込む太刀の勢いを加え3.敵を威圧し、その挙動を制すなど、その効用が言われる。「気合」の一歩は掛け声から・・・と、少年剣士に説いて久しい。

氣が動いているか

読売書法展で読売大賞に輝いた 松原宏仙さん(52)の記事を興味深く拝見した。 書道にも「氣」が大事。そして「呼吸に緩急をつける」。ああそうかと、納得した。 剣道、居合道にも通じるからである。特に高齢者の剣道では、この「氣」が欠かせない要件と考…

暑中稽古

7月28日(月)島田道場の稽古日。猛暑の中、流汗淋漓。本日の反省点。1.一本目「前」 いまだ目付定まらず。常に修正を心がけること。悪い癖がついていると、修正に時間がかかる。抜きつけの時の気・剣・体一致も不十分と感じる。切っ先が生きた抜きつけが…

正しい居合を抜くには、悪癖を修正すること

長年、同じ稽古の連続では居合道の本質に近づくのは難しい。単純な、そして決められた形の修練のみでは、進歩がない。振り返って、稽古とは何か、深く考察することも大事。最近の稽古の反省点は、長年染み付いた悪癖を何とか修正しなければとの思いがある。…

攻めと気・剣・体一致

剣道は、気で攻め理で打て、とはよく言われる。 気で攻め、打突の機会を作り、溜めて打ち切る。そして、隙のない残心。剣道修行に求められる課題・・・簡単には会得できない。百連自得あるのみ。特に、高段者の審査では、このことが求められる要件である。

狭き門、剣道8段

平成26年3月に岡山県で実施された剣道8段審査は、合格率0.9%と相変わらず厳しい内容だった。最近の受験者は増加しているものの、合格者の数は、ほんの一握りである。今回の受審者は1、016名、合格者は9名と狭き門。審査会結果における久永先生の寸評は以下…

技術の基礎は正しい姿勢から

剣道人には、正しい姿勢の人多し。剣道の修行において、正しい姿勢を習慣づけているからであろう。剣道修行において、姿勢は技術の基礎、根源とも言われているが、常に自然体で真っ直ぐな剣道を心がけたいものである。姿勢が正しければ、動作は自在、品位も…

小さな体、大きな気迫

[昭和名人伝]十四世喜多六平太 小さな体、大きな気迫◆身長わずか150センチほどの六平太が舞台に立つと、小ささを忘れさせる迫力に満ちる。 血のにじむ稽古を積んだからだろうか。本紙に寄稿していわく、「この道の修業は、無限に続く石段を上っているよ…

自己の習癖に注意し、欠点を質す

長年の稽古の中で身についた習癖、これを質すこと・・・多くの剣道人が抱えている課題であろう。このことを怠り、漫然と練習を重ねても一定以上の進歩は難しい。習癖に注意し、欠点を質す稽古を怠ってはなるまい。

剣道形考

現代剣道でもっとも憂うべきことは、試合の勝敗にこだわりすぎて剣道の本質がうとんぜられていることである、との風評を聞く。剣道の基本を正しく身に付けるためには、剣道形を合わせて修練することが大切であると説く識者も多い。 しかしながら、多くの稽古…

生きることは 一筋がよし 寒椿

◆編集手帳は、サッカー本田圭佑選手(27)のイタリア1部リーグ(セリエA)の名門、ACミランの入団記者会見を取り上げた。・・・前文省略・・・12歳のとき、いつかセリエAで背番号10をつけたいと卒業文集に書いたという。〈生きることは一ひと筋が…

有効打突は、充実した気勢から

◆有効打突とは充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。 (剣道試合・審判規則)充実した気勢を、どのようにして作り出すのか。ただ大きい声を出すのみで、「充実した氣」は出現しない。氣の出し…

力を抜く(リラックス)

剣道の稽古で力を抜けとかリラックスすることが大事といわれる。藤平氏によると、 「リラックスするということは、全身の力を完全に抜くということである。人間が全身の力を抜いたならば、その重みは身体の各部の一番下にあるのは当然である。頭部でいえばあ…