剣道七・六段審査会寸評(2011、8、)

剣道七・六段審査会寸評(2011、8、20)◆石川総合スポーツセンターで実施された七段審査は、受審者587名、合格者84名、合格率14.5%であった。六段は620名受け、21%の合格率だった。
◆濱崎先生の寸評の概略は次の通り。
☆着装と礼法については全般的に、心掛けていた感じを受けた。しかし、蹲踞から立ち上がっての姿勢は立派ですが、相手と対峙した時、剣先と気力の攻防の妙味に欠けていた感じがしました。
☆剣道で最も大事な相手を攻め崩す、気攻めの攻防が省かれ、そのため相手に隙がなく打突の好機でもないのに、お互い無駄打ちが多く見られたのは残念。機に乗じて、ただこの一本に全身全霊をかけて打ち込むことを心掛けていただきたい。
☆面にこだわりすぎる人見受けられた。理に適った打突であれば面にこだわる必要もない。
☆歩合は、相手より本数を多く出せばよいというものではない。有効打突です。も一度、有効打突の要件、要素を再認識され、正しい打突を目指していただきたい。
☆練度は日ごろの稽古において、理合に適った稽古を積み重ねているかです。個癖の矯正に努め、更に工夫を重ねての修練も肝要です。

剣道七・六段審査会寸評(2011,8,27)

福岡市民体育館で行われた七段審査は、受審者770名、合格者116名、合格率15%であった。六段は848名受審し、200名の合格、23.6%の合格率であった。

◆牧瀬先生の寸評の概略は下記の通り。

☆不合格の原因は
① 付与基準は、五段までの基本技能の取得に加え、品格。鍛錬度・勝負の歩合、その他指導者としての実力が備わっているかが着眼点です。
② 有効打突について理解することです。その要件、要素が備わっている打突が出ていない。気の充実がなく打ち間に入り我先に打つ姿が大いに見られます。また、打突部位を捉えていなくても気の充実から相手を制し、技を放ち残心のある一連の美しい姿が殆ど表現できていない。
③ 悪癖が身についている。
☆以下の点に留意し修業に励むこと
① 竹刀を真剣という認識を持つこと。自然に内面も充実する。
② 有効打突については、要件要素をよく理解し、今一度基本に返り繰り返し行い習得すべきです。最初は近間からの面打ち、段々と間を遠くし形ができたら、一足一刀の間から踏み込み足で打ち込み、相手の横をすり抜け残心を示すところまで行う。気を溜め潔く身を捨てる覚悟で稽古すべし。
③ 悪癖は切り返しを積むことで矯正できます。間合・気合・姿勢・刃筋・打突の機会・強度その他、剣道の基本となる要素が充分含まれている。

( 剣窓平成23年10月号より)

◆お二人とも、「気で相手を攻める」ことの大切さを強調されている