剣道の”溜め”を学ぶ

  剣道は“溜め”が大事とは、よく聞く言葉である。では、溜めを作るにはどうすればよいか、先人の指導に耳を傾けつつ、体得あるべし。我にとっても大きな課題である。

 ◆剣道の溜めの例え(イメージ)

 ² 砂で堰を作りそこに水を溜める、溜めれば溜めるほど水の勢いを増す。溜めて打つということは大きな力を一気に相手にぶつけることである。

 ² ハエをたたくのに、やみくもにハエたたきを振り回さない。止まったところでジーっと溜めて、一瞬にしてパットハエたたきを振り下ろす。

◆剣道溜めのつくりかた

気合の充実が溜めをつくる。相手を圧倒する気持ちで先を取る。

左足の引きつけが溜めになる。

臍を相手の竹刀に乗せるような気持ちでせめ、その攻めの圧力によって溜めが生まれる。

溜めを実践するには、切り返し、打ち込みは気力・胆力・呼吸など基本的な稽古を。

臍下丹田に気を収めることで「溜め」につながる構えになる。

◆溜めと打突の関係

足裏全体を使い、溜めた気を瞬時に爆発させることができるから打ちにも迫力がでる。

無駄な力みがあると、まず溜めもうまくいかない。打突に冴えも生まれない。

能の世阿弥の『風姿花伝』に「せぬ所が面白い」との表現があるが、無駄に数を打ち合わないで一刀両断で相手を倒せるように溜めあい攻め合う。攻めと溜めの攻防。

「攻め」と「溜め」の二つが別々では、効果が出ない。腰で攻め込むことで溜める

溜めと攻めの関係については、肩の力を抜くこと、剣先を中心から外さないこと、自分の間合いをしっかり頭に入れておくこと。

◆日ごろの稽古で、これらの教えを、しっかりと習得したいものである。