剣道「溜め」の考察

◆剣道時代7月号の特集は「剣道の溜め」について掲載している。

紙面に登場されている諸先生の「溜め」についての解説は大変参考になった。日頃から、「攻めて、溜めて、瞬時に打突」の流れを作るにはどうすればよいか、考えてみるものの、実践は、はなはだ難しい。これからの、修業上の課題である。

◆「溜め」について、次の事が述べられている。

1.ためをつくるには先をとること。先をとるには常に相手を攻めること。相手を圧倒する攻撃が溜めとなり、仕かけてよし、応じてよしの剣風を作る。
肚の底から声を出し、自分を奮い立たせ相手を圧倒するような気持ちで先を取っていく。

2.ためがあるという状態は、打つべき機会に無理なく技が出せること。攻め合いの中でも姿勢を崩すことなく対峙し相手のすきに技を出す。

3.左足に溜めをつくって技を出す。足裏全体で踏み、特に湧泉を意識して五指全体で踏み切る。親指と人差し指だけつかうと、左足が流れる。

4.打突の溜めは、ハエたたきの要領、気持ちの溜めは、相手に「四戒」を起こさせることが、打突の機会を得るためには、大変重要である。

5.しっかりとした下半身が溜めを生む。左足の引きつけが溜めを生み出す。

6.溜めて勝つには、気持ちの上で上位に立つことが大切。下半身に意識を置いて攻める。気持ちで乗る、剣先で乗る、相手より上位の状態をつくる。
臍を相手の竹刀に乗せるような気持ちで攻める。その攻めの圧力によって溜めが生まれる。

7.左足の引きつけが溜めになる。竹刀に気を乗せ、鎬を利用して打突の機会をつくる。

8.溜めと構えについて、左右の手の握りかたや力加減、左手の収まり具合、足の歩幅を小さめにし、左足のひかがみを伸ばし、腰を入れて丹田と剣先に気が充満した、これらの姿勢から攻めを繰り出していける状態をつくる。