正確な打突は基本稽古の繰り返し

 <考察>

 剣道では、気剣体一致、冴えのある打突が大事である。が、容易になしがたい。先人

の言葉を参考に、普段の稽古の注意点を考察する。

◆構えについて・・・正しい手の握りが会心1本を作る

 1.理想的な構えとは、右足を半足長くらい前にだし、体重は少々後ろ足にかけて、前足の指に力を入れず軽く踏んだ状態で、竹刀は、上から身体全体で柄革を包み込むようなイメージで握る。

 2.正しい構えを作らないと竹刀を正確に振ることができない。間合いが詰まれば詰まるほど、肩の力を抜くようする。

 3.竹刀の軌道はまっすぐ振り上げ、まっすぐ振り下ろすことが原則である。振り下ろす際は、左右の力を均等にして振り下ろし、右拳は肩の高さ、左拳は鳩尾の高さとする。

 ◆打突について・・・気剣体一致の打突を身に付ける

 1.気剣体一致のリズムを覚える

 2.空間打突で気剣体一致を覚える

 3.力強い1本を打つためには足の運用が大切。打ち間に入ったときに余分な力を抜いておき、左足のひかがみにためておいた力で踏み切り、右足で踏み込み、さらに左足で引きつける。

攻めについて・・・相手を崩して打つ

 1.剣道は攻めて崩して打つことが重要であり、打突前の大切な仕事が攻めです。相手の気持ちを動かすことが攻めである。

 2.攻めの手順は、気に乗じて間合いを詰め、そこで相手の反応を見る。まずは、中心を攻め、相手を崩すことを身に付けること。

3.打ち間は打突後も体制が崩れず、残心がしっかりとれるもの、こう考えると打ち間は思った以上に攻め込まなければならない。

4.上半身はゆったりとやわらかく使うようにし足は水鳥のように。剣先は相手の剣先にまとわりつくように動かし身体全体で攻め入る。柔らかく攻める。

5.攻めを入れた打ち込稽古。機械的に運動を繰り返すのではなく攻めて崩して打つことを繰り返す。拳を攻めて面を打つ。

 ◆面打ちについて

 1.一刀一足の間合いから左足を継いで面。継ぎ足を使って、相手が引いても充分に届く体制を整える。実践ではあまり使わない方がよいといわれる。

 2.近い間合いから左足を継がないで打つ。間合いが詰まった状態では左足を継がず、そのまま面を打つ。足は構えたまま瞬時に打つ。

 3.後退することを予測、相手を追い込んで打つ。円滑な足捌きを覚えること。実践では、構えた状態で面を打って決まることはまずない。

 4.出ばな面は二つの方法があり、一つは中心を強く攻め、一瞬相手を居つかせ、そこから出ようという瞬間をとらえる方法と、もう一つは、剣先をゆるめ相手の打突を引き出して打つ。

 ◆素振りについて・・・剣先が走る素振りをする

1.素振りで大切なのは、いかに自分の力を物打ち所に伝えるかです。素振りで打ち切った時の姿勢の基本は「右手は肩の高さ、左手は水月の高さである」

 2.素振りは下半身の円滑な運用が最も重要。「剣道は足で打つ」といわれているように素振りも足が重要。左足の力で右足を押し出すようにして踏み出し、瞬時に左足を引きつける。

◆そして最も大切なことは、「技を磨かんと欲する者は、先ず心を磨け」の如く、気の鍛錬であろう。