気・剣・体一致の打突
剣道では気・剣・体一致の打突が求められる。
特に、子供の稽古では、体さばきを伴ったこの動作を身につけることが、大きな目標になる。足の踏み込み、しないの操作がバラバラでは、剣体一致の技を出すことができない。早く打とうと思って、竹刀の操作を急ぎ、足の踏みこみが遅れる事例をよく見かける。正中線にそった竹刀操作、手の打ちなどと併せて、指導が必要である。
三橋秀三著「剣道」の打突要領の記述は次の通り。
1.体さばきをともなわせて気・剣・体一致で行う。
2.しないの振り上げ方は両手とも身体の正中線にそって行う。
3.しないの振り上げる動作と振りおろす動作とが切れないように一連の動作として行う。
4.しないの操作は、手・腕・肩などに力を入れないようにして、しないを振り上げ、振りおろすときは右腕を十分に伸ばし、両手首のスナップをきかせ小指の方で握りしめる。
5.引きつける足を敏速に行い、体制を整える。
6.腰を引かないで腰から運動を起こすようにする。
7.打突したとき、左拳は身体の正中線に納め、上がりすぎないようにして下腹の力が抜けないように心がける。
正面打ちについて、「右足より一歩踏み込みながら、しないを頭上に振り上げて相手の面を打つ。しないを振り上げる度合いは両腕の間から相手の面の見える程度に振り上げ、打ったときの右手は肩の高さ程度とする。」を確認すべきである。
試合・稽古で有効打突を出す剣士の足遣いを観察すると、攻めて出るときの足遣いが絶妙であることに気づく。