100歳を超えて、ますます元気

◆その人は日野原重明氏。年を取っても、ますます元気に輝いていく。そんな生き方の象徴的存在だ。

101歳の今もなお、現役の医師であり、さまざまな活動を続ける。・
常に新しいことに挑戦する、豊かな感性の持ち主だ。
背景には幾度もの挫折と、重ねてきた心のトレーニングがあった。

◆心のトレーニングが若さの源
幼いころから私は、絵を見たり、音楽を聴いたり、本を読んだりするのが好きでした。そういうことは人間として必要な、心のトレーニングなのです。その積み重ねが、ふとした拍子によみがえり、人に思いを伝える時に適切な言葉を教えてくれます。心を豊かにしてくれるのです。

もちろん今も毎日、俳句を詠み、オペラを楽しみ、人と会う。心のトレーニングは、私の若々しさの源でもあるのです。

70歳ころから心掛けているのは、毎年、新しい何かに挑戦することです。オーストリアの哲学者、マルティン・ブーバーの「人は創めることを忘れなければ、いつまでも若くある」という言葉に触発されたのです。

私は、98歳から俳句を詠み始め、99歳から筋力トレーニングを始めました。最近は動物愛護の運動に取り組んでいます。これからも、やりたいことはたくさんあります。

大人の休日倶楽部「Club 2013,9月号」より