内村・体操個人総合完勝
ロンドン五輪 体操・個人総合で金メダルの内村航平は表彰台でこらえきれない喜びに浸った。 20年間の体操人生で、思い出せる一番古い記憶をたどると、鉄棒にぶら下がっている姿が目に浮かぶ。「5、6歳の頃かなあ。蹴上がりの練習をしていたのを覚えています。周りの子はみんなできたのに、自分だけ全然できなかった」 両親が営む体操クラブで3歳から始めたが、小学1年で初めて出た試合は最下位。そこから、一つひとつ弱点をなくし、壁を乗り越えてきた。 個人総合優勝の日本選手は4人目だが、世界選手権と両方制したのは内村が初めて。だが、満足はしない。「結果じゃなくて、自分の理想の体操を表現し続けたい。その先にリオデジャネイロ五輪があると思う」 体操ニッポンの栄光の歴史に、記録と記憶を刻み込んだ23歳の若き新王者は、早くも未来を見据えた。 (2012年8月2日15時1分 読売新聞